6/20/2025

体験型インバウンドの時代 — 上海の大学生と過ごした京都の一日

近年、インバウンド観光は「モノ消費」から「コト消費」へと大きく変化してきています。
訪日外国人観光客の関心は、買い物よりも「日本でしかできない体験」へと向かっているのを感じます。

そんな中、私がSNSで募集していた和文化体験に、中国・上海の大学を卒業したての男の子から参加希望の連絡が入りました。
卒業旅行の前に、「日本の本物の文化を体験してみたい」と連絡をくれたのです。

今回は、その一日についてブログに綴ってみたいと思います。


なぜ和文化体験を始めたのか

和文化体験の活動を始めたきっかけは、ここ数年、京都や浅草などで急増している外資系のレンタル着物店に対して、ある違和感を抱いたことでした。

そこを訪れる観光客、特に東アジアの方々が着ている着物が、日本人の私たちが日常的に接している伝統的な着物とはまったく異なる形で広がっているように思えたのです。

まるでテレビのコント番組に出てくるようなお殿様風の着物や、成人式さながらの華美な衣装が目立ち、「これが日本の着物だと思われたら、ちょっと違うな……」と。

もちろん短い滞在の中で日本文化のすべてを理解するのは難しいのですが、
「日本文化の根底にある“自然との共存・調和”という感性」に少しでも触れてもらいたい

そんな想いから、着物、和食、茶道、寺院といった“本物”の体験を届けるボランティアに近い形で和文化体験をスタートしました。


雨の日の京都を巡る一日体験プラン

ちょうど梅雨の時期でしたので、雨を想定した京都のルートを組みました。

* 昼食は祇園の落ち着いた和食レストランで季節の会席料理を。
* その後、建仁寺と青蓮院へ。静かな日本庭園と伝統建築、そしてお寺の空気感に触れてもらいました。
* そして締めくくりは、夕方からの茶道体験。実際にお点前を体験していただきました。
すべての体験の中に、季節感や季節を感じる部分をつど案内していきました。

参加してくれた彼は、中国でも指折りの大学を卒業したばかりの22歳の学生さん。
少し控えめな性格ながら、とても礼儀正しく、日本語は片言ながらも会話ができ、英語の発音からも高い語学力が感じられました。
わたしも外国人の知り合いが何人かいますが、ここまで礼儀正しく、躾や所作がしっかりしている人はなかなかいません。
22歳にして非常に誠実な雰囲気は彼の知性を感じました。


慣れない着物と草履、そして雨の日

当日はあいにくの雨模様で、慣れない着物と草履での移動は大変だったと思います。
それでも最後まで頑張って、一日を通して真摯に日本文化に向き合ってくれました。
夕方、ホテルに一度戻って着物を脱いだあと、夜7時に再び合流。
一緒にお好み焼きを食べて、楽しく一日を締めくくることができました。


 写真と感想

雨のため撮影枚数は少なめで、約370枚ほどでしたが、帰宅後にその中から厳選し、修正・編集して私のクラウドサーバーにアップロード。彼に送ったところ、すぐに「本当に素敵な体験だった」と感謝のメッセージが届きました。
こうして形に残る思い出を提供できたことが、私にとっても大きな喜びでした。

おわりに

今回の和文化体験を通じて、彼が少しでも日本の文化を理解し、
そして日本という国をもっと好きになってくれたなら、それだけで案内をしている意味があったと感じます。
憎しみやヘイトの忌まわしい言葉の応酬からはなにも生まれません。
たとえ個人一人だけでも、お互いの国の文化を知り、自分の知見を広げることが大切だと思います。


体験型インバウンドの時代に、ほんのわずかでも「日本文化の精神」に触れてもらえる機会を作っていけたら・・・
これからも、そんな想いでまた連絡がくれば案内をしたいと思います。

今回自分以外の他人に初めて着物を着付けましたが、思ったよりも難しく
次回からの改善点だと感じました。
帯が腰にずしっとある方が、やはり粋に見えますしね。
あと雨で着物はやっぱり大変ですね。濡れても良いような着物を選んでいきましたが
撮影の為にリュックサックを背負っているせいもあり、袖周りがくしゃくしゃになってしまいました。
それと、めちゃめちゃ疲れましたww



なんと今回の訪日から御朱印帳を始めたとのことでした!!すごい!

ちゃんと日本語で頼んでいました。素晴らしいですね。

雨で大変でしたがこんなに艷やかな写真が撮れたので良しとします。





文武両道の学生さんは体格もあり初めての着物ですがとても似合っていました。着物が雨でくしゃくしゃなのはお許しください・・・。

初めての茶道体験でした。

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