今シーズンは雪が少なく、比較的過ごしやすい冬ですね。
昨年から開催されていた、滋賀県立安土城考古博物館にて開催されたいた
「暮らしがうんだ絶景 びわ湖の水辺の文化的景観」の企画展に行ってきました。
なんと駆け込みの本日で終了という極めて滑り込みとなりました。
滋賀県には環境庁の指定する文化的景観が3カ所あります。
近江八幡の水郷、針江の生水、海図大崎の水辺景観です。
以前から何度かブログでもこの事は書いてきました。
実際に私自身もこちらの場所へは何度か足を運んで実際にどのような景観なのかを見学もいたしましたし、色々なお話を周辺の方より伺う事もできました。
成安造形大学さんが近江学という本を出版しているのですが、そちらで過去に取材された内容を受け継ぐような企画展な気がします。
こちらの出版物は非常に取材や編集が細かくされており、少し値段は高いですが、滋賀の人々の自然との関わりや文化などを詳しく紹介しています。
幸いにも展示の図録に、今回展示されている殆どの内容と、写真などは掲載されていましたので、最後に購入させて頂きました。
改めて文化的景観から滋賀という場所を考えてみると
誠に自然や歴史的な要素と、人々との暮らしがうまく調和していた地域と言うことが解ります。
図録の初めに
「今見ることの出来る景色の裏側にあるもの、すなわち、その地域の成り立ち、景色を造り上げてきた暮らしの有様とその変遷、そして、その根底に流れる自然と人間との交渉(=共生)の様態を紹介したい」と書かれています。
私も今年で40になるのですが、最近は自分が見る景色や物事の背景にどういった過去や、事柄が潜んでいるのかを考えるようになってきました。
美しい景色の裏で、動物たちの営みや、人間の営み、そして過去からの流れなど・・・。
バカな頭で考えれば考えるほど、特に法律や設計図で明確に規定されたわけではない、所謂文化と自然の調和や融合が時代を越えて、継承されていくこともあれば、無くなってしまうものも中にはあったりで、
図録の最後には、残念ながら人間を取り巻く自然環境は負の方向に変化していると書かれていました。
少しキツい言葉だと感じますが、その通りでもあります。
ただ、こんな世の中でさえも、過去の先祖や、自然から受け継ぐ生活の文化を大切に守っていこうと感じている人もいるわけです。
自然と調和したライフスタイルというのは、快適主義とはほど遠いかもしれませんが
持続性や、環境破壊から遠い所にあると思うのです。
現在世界中でメインとなってしまっている快適主義を重んじる思想は、311の原発震災で明らかになったように、決定的なバグを発生させ、長い将来にわたって地域性や自然環境を根底から破壊し、再生不可能に近い状態にたった数日でしてしまう事も、私たちは知ることが出来ました。
企画展の引き延ばしされた写真は、私たちが暮らす今の滋賀でまだ実際に見ることのできる景色です。
写真でも美しいのですが、実際に自分の目で意味をかみしめながら見てみると、また違った思いがわいてくるかもしれませんよ。
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