5/23/2011

山門水源の森観察会&生態系保全シンポジウムにおじゃましました。

こんばんは。
5月も半ばを過ぎました。

さて、先日の土曜日曜の二日間
長浜市西浅井町にある、山門水源の森で行われた自然観察会と生態系保全シンポジウムへお邪魔して参りました。

山門水源はやまかどと読みます。
昔から8号線を通過する度に看板が上がっていたのですが、つい最近まで読み方すら知らなかったのは
とても恥ずかしいです。

今回シンポジウムに、高山市の五色ヶ原という手つかずの森の保全と利活用をされている
地域振興課課長の方が講師として来られるそうなので、とても興味が沸いた次第です。

五色ヶ原と言う森は、乗鞍の岐阜側のほうに広がる、人間の手が入ってないとても神秘的な森ですが
こちらを見学するのはガイドさんを同行しないと入れないようなシステムになっています。

では、順番に写真の説明をして参りましょう。

山門水源の入り口に立つ看板です。
書いてあるとおり、滋賀県での最大規模の高層湿原です。
今から20年前のバブル経済の崩壊時に、滋賀県がこちらの用地を買収し、そこから湿原の整備が始まります。
初めは、ゴルフ場の建設案もあったそうですが、幸運なことにバブル経済が崩壊して、その話しは流れることになったそうです。
早めの受付を済ませ、現地で先行販売されていると聞いていた、山門水源の森の記念すべき功績を書いた本を買いました。
6月上旬頃から全国の書店や、アマゾンなどでも発売されるそうです。
 しばらくすると、県から嘉田知事が挨拶にこられました。
開会式までの時間、バイオトイレの事を先ず先に熱心に聞かれていました。
午後1時頃から、観察会の開会式が行われました。
引き継ぐ会の会長でもある、竹端さんより、挨拶のあと、嘉田知事と長浜市長県会議員の挨拶が続きます。

式が終わると、今回4コースに分けての見学会になるので、グループ分けがありました。
私は今回保全コース見学にお邪魔することになりました。

ガイドの方を先頭に、湿原を目指して山に入ります。

 いきなり、とても綺麗なせせらぎが見えてきました。
網で囲ってあるのは、増えすぎた鹿に荒らされないように、管理の方が巻いたものです。

なぜ鹿やいのししが、増えすぎて人間の生活圏まで下りてきてしまったのでしょうか?
実は、石油燃料全盛期以前は日本では墨を利用した生活スタイルがありました。
そのみんなのご飯とかお風呂に入るときに使われた墨を作るのに、里山の人々はこうした所に炭焼き窯を作り
適度に人間がこちらに入って、墨を作ることによって、動物たちが近づかない環境があったそうです。
所が、石油燃料が発達し初め、墨を使うことが激減し、炭焼き窯での作業も無くなっていくと、当然人間も
この山に入る機会が減り、動物たちがどんどんと下界に下りてくるようになりました。
この写真は、昔の炭焼き窯の跡の写真です。


 てくてくと歩くと、いよいよ湿原が見えてきました。
初めて見る山門の湿原に、感動しました。
所がどっこい、こちらも、いのしし、鹿などが荒らすために、仕方なくこのようなネットを張らざるを得なくなってしまいました。
私たちは今回保全コース見学なので、普段絶対に一般人は進入できない、湿原の中に入り、観察することになります。
こちらは湿原の中にあるネットですが、絶滅危惧種のサワランがあります。
常識のない人間が、盗掘するので、どんどんと数を減らし、こちらのスタッフの方も盗掘場面に遭遇されたこともあったそうです。
サワランをさわらんといて!!

こちらの山は大昔に地震があり、その時の断層があります。
大きな石がごろごろ転がっているのも、大昔の火山の噴火を物語っています。
 ほんとうに緑が美しすぎるほどに美しいのが、写真でもおわかり頂けると思います。

 森林に入ると、木々からでるチトンフィットによる抗菌、抗生効果で、人間の体内までも正常な状態に戻っていくそうです。
 山の上のほうに行き、湿原を見下ろせる展望台に着きました。
眼下に広がる山門水源の森。
一言で言うと、なんだかとてもかわいい湿原に見えました。
そんな表現だと、関係者の方に怒られてしまうかもしれませんが、なんというか、とても優しい控えめで幻想的な・・・
派手さはありませんが、私の心にすっと入ってきました。
1人でぼーっとこの眺めを眺めていたかったです。

 たにうつぎが咲いていました。
道行くところに、ささゆりをまもる網が張っています。

本当に、気の遠くなるような地道な保全活動に、胸が熱くなりました・・・。
夕方4時頃には観察会も終了して、一緒にガイドをして下さった方にお礼をいい、解散しました。
こんばんはこの後は場所を移して、参加希望者の方と来賓の方などを含めた懇親記念会が行われました。
私も初めての参加ですが、厚かましくお邪魔してしまいましたが、普段お見かけする顔もありましたので
すこし安心でした。
でも、みなさんとても熱心な方がおおいので、どうしようかと思いましたが
保全レンジャーの方が話しかけてきて下さったので、どうねんだいということもあり、いろいろお話をしていました。

そして、こんばんの宿泊は海津大崎に泊まりました。
宿泊場所は内緒です。個人でやってらっしゃる所なので、あまりブログに載せてご迷惑をかけてしまうのも気が引けるので
お名前は出さないことにしました。
オーナーのご主人はとても気さくな人で、1人での利用でしたが快く泊めて下さったので、静かな夜を過ごして
今日の森での余韻に浸ることができました。

 朝はあいにくの曇り空でした。
宿泊場所の直ぐ裏からの、海津大崎の風景です。
見ているだけで、心が癒されます。

二日目は、朝から昼食をとり、4時頃までみっちりとシンポジウムのスケジュールです。

一瞬ねそうになりましたが、何とか気合いでお話をちゃんと聞くことが出来ました。
色んな側面からの課題が討論されましたが、話しを聴く度に、一筋縄ではいかないのが環境保全というのが
よく解りました。

ただ、人間の意識、心のホワイトバランスが結局は大切なんだと感じました。
生物多様性という言葉はCOP10の時にニュースで散々聞きましたが
今回のお話を聞いて、少し理解できるようになった気がします。

また次回に色々と続きます・・・。
妙子さんの3びきのくまな気分です。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2012年8/4(土)山門水源の森 現地交流会のご案内

琵琶湖の固有種ビワマスを育む「山門水源の森」を訪れます。8月上旬の湿原は、サギソウが咲き始める頃です。みなさんのご参加をお待ちしています。

http://www.pref.shiga.jp/d/rimmu/kouryu/240804yamakado.html

http://www.pref.shiga.jp/d/rimmu/moridukurinet/event/h24/yakamado_240804.pdf