5/24/2011

生態系保全シンポジウムでのお話。

先日の続きになります。

生物多様性という言葉を実際に何度も聞いたことはありますが
具体的にどんな意味合いをもつのかを、日本自然保護協会の横山先生が、非常に解りやすく
淡々と様々な事例を紹介しながら教えて下さいました。

私が産まれた1970年代には、世界での野生生物種の絶滅スピードというのは
一年間に1000種類でした。

所が、現代の2000年代においては、一年間になんと40000種類の野生生物種が絶命しています。
365日で単純にわると、一日に110種類の貴重な野生生物種が、地球上から無くなってしまっていることになります。

動植物が消えると言うことは、それを形成している生態系のバランスがどんどんと崩れていくことになり
頂点に君臨する人間のような生き物の所に最終的にしっぺ返しが回ってくることは容易に考えられます。

森を保全すると言うことは、そこに生息する動植物をまもると言うことにも繋がっていると言うことです。
そのほか、温暖化の防止や、自然災害からの防止にも役立つことになります。

ただ現代のような行きすぎたお金儲けのためのシステムから、自然保護活動というのはかなり相反することに思われます。

Bセンスとは??

Bセンスとは

  • 私たちは、「生物多様性(Biodiversity、頭文字をとって「B」)を意識して行動を選択していく感性(センス)」を、「Bセンス」と名付けました。
  • この言葉は、 日本自然保護協会(NACS-J/ナックス・ジェイ)と環境省の有志が2001年に個人の立場で始めた「自然保護21会議」から生まれ、「生物多様性」というものに関係することがらに一人一人が気づき、普段の行動を通して社会に広めたいと造語したものです。
  • 「B」は、経済効率優先の暮らし方ではなく、もう一つの選択(オルタナティブ)を重視する考え方としての「B」でもあります。

Bセンスのねらい

  • 個々人の小さな行動であっても、生物多様性との関係に気づき、生物多様性を意識した行動が選択され、日々積み重なっていくことが、自然界の多様性を守ることには何より効果的です。
  • Bセンスを広めることで、人々が日々の暮らしの中で自然の恵みを意識し、自然の摂理を壊さず、多様性を保つ手助けをしていく社会の実現が目標です。
  • いろいろなBセンスをもつ個人になり、Bセンス・ライフを楽しみたいと思います。

横山先生のスライドの中にBセンスのことが書かれていましたので、
HPから引用しました。

上に書いてある緑の文字をよく読んでください。
特に赤字で書かれたことに、私は大切さを感じます。

書店やインターネットを見ていると、環境保全に対する、色んな立場からの
へりくつめいた書籍や情報も沢山出ていることに気がつく人もいるでしょう。

データに基づく行動は確かに重要なことだと思いますが
私は、人間の自然に対する尊敬と意識の部分が、人間から欠落している状態では、環境保護は非常に難しい気がします。

小さい頃からの自然保護活動教育を、義務教育から徹底し、自然に対する尊敬のある大人にしていくことも
重要なことだと感じました。

センスオブワンダーというレイチェルカーソンの言葉にもあるように
自分の周囲でなにが行われていて、なにが大切で、どこにまやかしが隠れているかを見抜けるようになり
周囲のことに対して、それは環境や自然でもそうですが、隣人や家族に対して、先ず思いやりのある行動が取れるかどうかがいろんな事にも繋がっていくきがしました。


短いレポートになりましたが、他にも感じる事は沢山ありました。
最後に山門水源を保全されている沢山の関係者の方と、今回案内やいろんな事を教えて下さった先生方に感謝の意を表します。
山門水源には、また季節によって色んな風景が楽しめるそうですので、時間を見つけてはまたお邪魔したいと思っております。
山の地面に流れている雪解けや雨を含んだこの小さな水の線が、びわ湖に流れ込み下流域の人々の大切な飲料水となっています。


私たちも日常蛇口をひねるときに、この水の産まれたときの事をふと思いながら利用したいですね。

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