少し車で移動して、同じ明宝の中にある、二間手集落に着きました。
この集落に存在している、築100年の古民家源右衛門(げんねもん)は
岐阜県の補助事業で補修・エネルギー実証実験の現場として利用されている
ハイテクと古さがハイブリッドしている建物なのです。
午後からもとても良い天気に恵まれ、絶好の源右衛門日和になりました。
100年以上前に建築された建物なので、いくら改築しているとはいえ
屋根の上に大きなソーラーパネルを設置するのは難しいと判断されたようで、家の前にソーラー発電パネルが
設置されています。
建物にはこのような薪を利用するものもたくさんある感じです。
ここで一部屋作れるんじゃないかと思うぐらいに立派な縁側の廊下には、かわいらしい火鉢が置かれています。
火鉢の中に入れる炭も木材からの燃料です。
源右衛門の側には、小水力発電もされています。
寒い明宝なので、全ての電力が自家発電で間に合う事は無いようです。
建物の中はおそらくデータ管理が出来る特殊なコンセントで、用途別にコンセントが分かれています。
予想ですが、おそらくネット回線を利用して、リアルタイムで電力使用状況が送信されている感じですね。
今日はおときの振る舞いイベントの2回目という事で、いろんな所から参加されているお客様で
家の中はてんやわんやな感じでした。
こちらの管理をしているサミーさんも、非常に忙しそうに動いていらっしゃいました。
「おとき」と言う食文化は、田舎の集落ではよくあるものだそうで、
私の知り合いの長浜市内の方も、こういった精進料理をお葬式に振る舞う食文化は今でも残っているところもあると聞きました。
こちらは、集落の近くに葬儀ホールが出来た事によって、数年前におときが無くなってしまったそうで
やっぱり、また食べてみたいとの要望が集まり、こういったイベントの形で再度復活したと言う事です。
席に座って話していると、背広姿の男性が、こちらの料理を配膳されました。
男性が配膳するというのもおとき文化の一つだそうです。
おときの詳しい解説は、こちらの頂いた資料を読んで下さい。
当日のメニュー図です。 |
これがね、どれを頂いても、美味いんだな。
天ぷらとフライは冷めていたのは仕方がありませんが、いわゆる手作り惣菜はスーパーのお総菜とは全く違う
自然なおいしさがします。
一緒のテーブルで頂いた、カレッジのメンバーも「パックに入れて持って帰りたい。」と話していました。
すっぺりとみんな綺麗に食べ終えごちそうさまです。
これで、今回の二日間にわたったカレッジは終了です。
色んな思いを胸に、駐車場まで話しながら歩いて、お別れとなりました。
サミーさんや配膳の男性が正装に近い出で立ちをされていたのも、
当時の様子を少しでも再現しようとされていた思いからなのかもしれません。
集落の人間が亡くなり、命の終わりをみんなで見届けるという、ベーシックなイベントが、セレモニーホールの出現や
人口の移動などによって、これも又変化して
その変化に、食文化が連動してしまう。
食文化の変化は、それを作る女性たちの集いの場をまた変化させてしまう。
田舎と言われるところからも、徐々にコミュニケーションが少なくなってしまうように、外的要因が作用していると思うと
この企画はただ単に「懐かしいごはんをまた食べよう」といった単純な物では無く、
亡き人を送り出すという作業に付帯された、集落での団結やコミュニケーションを再現する企画でもあったのかもしれません。
源右衛門はどちらかというと、発電実験での注目度が多い印象がありましたが
おときを頂く事によって、またその現場を再現してもらえた事によって、感じる事がありました。
お料理を企画・提供して下さった「ふるさと栃尾里山倶楽部」の皆様や、てんやわんでお話出来なかったサミーさん
そして、里山カレッジの企画に含めて頂いた事を改めて感謝致します。
2 件のコメント:
ふるさと栃尾里山倶楽部のサミーです。
このたびは源右衛門にご来訪頂き、
ありがとうございました。
このおときのごはんは、
ただ美味しいご飯をみなさまに食べて頂くだけではなく、
おときというならわしを後世に伝えること、
おときをつくることを通して、
地域の結束力を高め、よりいっそう元気な地域を作っていくことも、
目的としています。
そのことを感じて頂けたことは、
主催者としてもとても嬉しく思いましたので、
コメントを差し上げました。
バタバタでゆっくりお話しできなかったのが残念です。
また是非お立ち寄りください。
サミーさんこんばんは。
コメント頂き恐縮でございます。
先日は本当にお忙しいようで、ご挨拶すらも出来ませんでした。
かなり独断的なレポートでお恥ずかしいぐらいですが
とても有意義な企画で、感激致しました。
裏方の皆様や現地の皆様によろしくお伝えください。
また何かの機会でお会いできればいいですね。
離れたところからですが、ご活躍を応援しています。
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